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EARTHSHAKER. SPECIAL NIGHTライブレポート
~18の日々がよみがえる~

 我が青春時代のヒーローであり、日本ハードロック界のレジェンド「EARTHSHAKER」の2025年4月25日に品川プリンスホテルClub eXで開催されたライブ「EARTHSHAKER SPECIAL NIGHT」を主催者である西武メディア・コミュニケーションズの大西がレポートする。
 こちら音楽ライターではなく主催者によるライブレポートであり、一部ファン目線や主観も入り混じった自画自賛的な部分についてはご容赦願いたい。またレポートでありメンバー名の敬称を略している事も併せてご容赦願う。

 大変ありがたい事に前売りチケットは早々に完売となった。満席のオーディエンスも初めての体験であろう品川プリンスホテル内の円形シアターClub eXで観るEARTHSHAKER。開演前から客席に文字通りスペシャルな期待と若干の不安が混在している事が感じられる。

 ライブハウスでもホールでもライブは会場の大小はあれども基本的にオーディエンスから見て長方形の画角に収まるのがほとんどであるが、ここClub eXは円形のシアターで、円形ステージに沿って椅子も弧を描いて並べられており、さらに2階バルコニー席もあるという特殊な形状、通常のライブとは見え方が全く違うものとなる。このクラシックな佇まいの超個性的な会場でどんなパフォーマンスが繰り広げられるのか期待(若干の不安も)が高まる。

 今回のステージはいわゆるエンドステージに楽器類が設置されその前に直径6メートルの円形ステージがつながる変則ステージである。

 客電が落ちてオープニングSEが流れメンバーが登場するとオーディエンスは総立ちになる。本公演の直前まで行われてきたライブイン武道館再現ライブツアーで使われてきたSEで彼らの代表曲「MORE」のイントロをアレンジした壮大なものである。総立ちで見守るオーディエンスを前にドラム クドーの特徴的なフィルから始まりギター シャラのイントロのギターリフが鳴り響くと歓声があがり一気に会場のテンションがあがりドラムベースのキメに併せて全員が拳をあげる。

    日本ロック史に残る彼らの代表曲「MORE」からスタートである。

 一曲目の歌いだしからボーカルのマーシーは円形ステージに飛び込み、いつも以上のステージアクションで客席を盛り上げる。それにより今回のステージの特徴的な構造をうまく使った立体感のあるステージをオーディエンスが認識し始めた瞬間であった。通常のライブと違いマーシーを横から見たり、シーンによっては後ろから見ることになる。
 「MORE」の2コーラス目Aメロでベースのカイが円形ステージ下手に出てコーラスをとる。このコーラスは私の記憶では(おそらく)オリジナル音源にはなくセルフカバー以降のアレンジである。カイのコーラスはEARTHSHAKERの特徴の一つでありメロディアスハードロックたらしめる要因の一つだと思う。

 そしてギターソロでシャラが円形ステージ上手に駆け出し、円形ステージに下手よりカイ、マーシー、シャラと揃い、EARTHSHAKER名物泣きのギターソロが始まると、オーディエンスから歓声があがった。このステージ構成の通常とは違う立体的な見え方がここで完全に実感できたのだと思う。実際提案した当事者である私もこのシーンで実感した。

 この写真はシャラが下手、カイが上手であるが縦横無尽に動くフロントマンがマーシーを頂点に円形ステージ上に展開して背景にドラムのクドー、キーボードのトシが見える。まるでBURN!やYOUNGGUITARなど昔の音楽雑誌のページを見ているようである。

 今回のライブは3部構成となっており第一部はライブイン武道館に準じた構成である。「MORE」から「記憶の中」、短いMCを挟んで「WHISKY&WOMAN」「MIDNIGHT FLIGHT」「夢の果てを」「流れた赤い血はなぜ!」と初期4枚のアルバムからの代表曲のオンパレードである。盛り上がらないわけがない。

 そして「流れた赤い血はなぜ!」から恒例のクドーのドラムソロに突入。最近ではあまりお目にかかる事もなくなった、これぞハードロックという大きなドラムセットをフルに使ったドラムソロであり、EARTHSHAKER名物ともいえるツーバスドコドコ(幼稚な感じのする表現ではあるが、あえて「ドコドコ」という表現をしたい。)が冴えわたる。

 26インチのツーバスに2フロア、大量のシンバル類がピカピカに磨かれ美しく水平にセッティングされたクドーの美学が反映された大きなドラムセットだが、古いファンであればご存じの通り80年代のクドーはもっと巨大なドラムセットであった。そもそも近年ロックバンドのライブで長いドラムソロがあること自体レアであるがシェイカーファンはそれが見たいのである。それにしてもさすが結成40年を超えるベテランハードロックバンド。どのようなステージであってもEARTHSHAKERワールド全開である。シャラの泣きのギター、クドーの力強いドラム、カイの抜群の安定感のあるベースとコーラス、トシのキーボードがサウンドに厚みを加え、マーシーの感情表現に溢れたヴォーカル。あの頃と変わらない良さと歴戦を経て進化した今だからこそ出せる味が感じられる。

 そして彼らの人柄が滲み出た、メンバーからもオーディエンスからも笑顔が溢れるライブの第一部が終了。

 第2部はアコースティックシェイカー。円形ステージを使ったアコースティックコーナーである。

 第一部終了時のMCで「他人に任せたくないので自分たちでセッティングします」と言っていたとおり、メンバーとスタッフが小ぶりなドラムセットなど機材のセッティングをスピーディーに進め、アコースティックコーナーはマーシー・シャラ・トシの3人による「ただ悲しく」でスタートした。その後カイとクドーが加わり「GARAGE」「22時」「SHINY DAY」「WALL」と続いて終了。円形ステージ上の楽器撤去と合わせて15分の休憩となる。椅子に座ってみる円形ステージのライブは椅子の位置によりまったく異なる視界となる。まさに普段みることの出来ないEARTHSHAKERを目撃することになった。

 主催者として「せっかくの円形ステージなので椅子に座って観るシーンを作ってほしい」というオファーをさせていただいたが、専用にドラムセットまで用意してここまで完璧なアコースティックコーナーをやっていただけたのは想像以上である。ちなみにバンド側に伝えなかったが「座って観るシーン」と言った際にイメージしたのがまさにキーボードを活かした「ただ悲しく」と「GARAGE」であった。  

 これは後から言っても後出しじゃんけんみたいな感じであるが、セットリストを見た時には「通じている」と勝手に感じたものである。

 休憩時間が終わり、バンドセットに戻った第3部ではラストまで一気に盛り上がっていった。アルバムSMASH収録の「PIERROT」「奇跡を待ちくたびれ」から「T-O-K-Y-O」「FUGITIVE」と続く。FUGITIVEの最後の長いギターソロは是非円形ステージで弾いていただきたいと思っていたが、本当にその通りになった。EARTHSHAKERの真骨頂とも言うべき泣きのギターソロとツーバスドコドコで盛り上げていくEARTHSHAKERワールドである。シャラの立ち位置は円形ステージ中央なのですべてのオーディエンスは至近距離で目撃する。これが見たかったのである。

 そして本編の最後は「走り抜けた夜の数だけ」「RADIO MAGIC」で終了。この2曲、当然のことながら会場は大合唱となる。途中のMCでマーシーが「EARTHSHAKERのライブは演奏と皆の歌が合わさって完成する」と言っていたがまさにそんな感じである。80年代当時雑誌かなにかで「歌えるハードロック」と言われていたが、あれから40年。そのスタイルは今も健在である。

 アンコールは「DRIVE ME CRAZY」「COME ON」。

円形のシアターで四方から全員が「COME ON EVERY BODY(きめてやるぜ)OH YEAH」と歌っている様は圧巻であった。 

 そして最後の最後アンコール2はEARTHSHAKERのタイトル曲「EARTHSHAKER」。

全員が手をあげて「EARTHSHAKER」と連呼して終了。

大団円のエンディングとなった。

 終演後はバルコニー席のお客様とメンバーとの写真撮影を行った。みな最高の笑顔で写真に納まってお帰りいただく事が出来た事は主催者冥利に尽きるというものである。バルコニー席に限らず参加いただいたお客さまは思い出や活力など、それぞれ良い土産を持ち帰る事が出来たと思う。

 途中のMCでマーシーが「今回のライブでは通常の3倍動いています」と言っていた。バンド活動歴42年以上、全員65歳以上のバンドだが2時間半に及ぶ最高のパフォーマンスを見せてくれたEARTHSHAKERメンバー、そして最後まで大合唱して盛り上がってくれたオーディエンス、そしてこのショーを実現するに関わっていただいたすべてのスタッフには感謝しかない。 

 個人的なことであるが、高校2年生の時に初めてライブコンサートというものを見たのがEARTHSHAKERのMIDNIGHT FLIGHTツアーの中野サンプラザ公演。擦り切れるほど聴いたバンドの実物が目の前に現れ演奏を目の当たりにして、どう乗って良いかわからず一瞬たりとも見逃さないようただただ棒立ちで観ていたことを思い出す。高校時代はアースシェイカーのコピーバンドを組んでいた(当時どこの学校にもいた気がする)。卒業後は数々のライブに参加し、そのままライブエンターテインメントの世界に飛び込み気が付けば30年以上。あの頃EARTHSHAKERがいて今の私がある。

 はじめてライブをみた40年前、こんな風にEARTHSHAKERのライブを主催するとはまったく想像すらできなかった。40年前の自分に「将来こんなライブを主催するんだよ」と教えてあげたい。多分に公私混同やら私感があふれ出てしまっている駄文レポートをお読みいただき感謝する。

2025年4月27日

西武メディア・コミュニケーションズ 大西

写真:弓削ヒズミ

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株式会社西武メディア・コミュニケーションズ
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